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【脳卒中 立位姿勢で体が傾く原因】非麻痺側 内反

立位での重心移動で、非麻痺側へ体が傾いてしまうという方は、分回し歩行や内反などが生じやすくなります。



立位(一部歩行)で非麻痺側へしっかりと重心を乗せることは、バランスや麻痺側の下肢の動きなど様々な要素と関連づいています。




実際のリハビリ場面では、非麻痺側は意識したことない、という方もいらっしゃいますが非麻痺側の体幹に麻痺がある可能性や麻痺側からの影響を少なからず受けているので必ず確認していくことが大切です。



非麻痺側体幹の麻痺についてはこちらの動画で解説しています。

では立位、一部歩行も含めて、非麻痺側へ体が傾いてしまう原因を3つ解説しながらそれぞれの練習方法まで紹介していきます。

非麻痺側へ体が傾いてしまう原因

①体の垂直指向性
②前後の重心移動の制限
③非麻痺側の体幹の弱さ/麻痺/低緊張


①体の垂直指向性


それではまず立位で体が非麻痺側へ傾いてしまう、この症状で一番多く見られるのが体の垂直指向性の感覚になります。



立位や歩行で非麻痺側へ重心を乗せる際に、確かに体を傾けることで非麻痺側には乗りますが上半身だけの動きになってしまうことや、体を非麻痺側へ傾けるので骨盤は麻痺側へ突出したり、退けてしまう原因にもなります。




重心移動で重要なのは体を傾けずに垂直を保持することや骨盤の高さが一定のまま非麻痺側へ重心を移す(麻痺側も同様に)、垂直を維持、保持するということが大切です。




この体が垂直になっているか、真っ直ぐ上に伸びているかなどを含めて垂直指向性と表現しますが、簡単に言えば、真っ直ぐかどうか正確に感じられるかという事になります。




特に日常的に杖や手すりなどを使用している方は、どうしても杖に体を預ける場面によって体が非麻痺側へ傾きやすくなります。




杖や手すりを使用する際には、杖に体を預けるというよりも杖を下に押すことで体が伸びやすくなるので、なるべくそういった使用方法が出来ることが理想的です。




特に杖を使用している方、使用していなくても非麻痺側へ体が傾いているかもしれないと感じる方は、一度、壁に非麻痺側の手を付けて麻痺側下肢を振り出してみてください。非麻痺側の腕を挙げることで、体全体が上向きに伸びようとする活動が高まりやすいので、評価でもあり自主リハビリの方法にもなります。




この手を挙げた自主リハビリの方法はこちらの動画でより詳しく解説しています。

こちらの動画では、いくつか難易度設定しながら行っているので、安全にできる内容から始めてください。体の垂直や左右など実はすごく曖昧なもので、感覚のズレや誤認というのはものすごく生じやすいですので、ぜひ練習を参考に感覚の確認なども含めて行ってみてください。



②前後の重心移動の制限


次に非麻痺側下肢での前後の重心移動になりますが、非麻痺側へ体を傾ける重心移動をしている場合には非麻痺側下肢において左右への動きが強くなり、前後の変化が少ない方が多いです。



これは反対に考えれば、前後の重心移動が制限されているので、体を傾けて左右方向の重心移動をいろいろな場面や動きで多くなってしまっている結果とも考えられます。




リハビリにおいて改善したい動作へ介入していくことも必要ですが、一部どこかの動きの制限が軽減することで改善したい動きに繋がるということもあり、左右の重心移動の方法を改善するために、制限されている前後の重心移動を促すことで、重心を乗せられる位置、部位が増え、結果として左右への動きを改善していくということになります。




特に非麻痺側の下肢の前後の重心移動が少ない方の重心移動、歩容として、非麻痺側の下肢へ体重を乗せた際に膝が曲がってしまう事が多いです。




これは非麻痺側に体を傾けると膝が伸びた状態では、足がつっぱった様な感覚があるので膝を曲げたくなることが考えられます。そして膝を曲げてしまうことで、特に歩行場面では膝だけではなく、足首などの関節の動きが少なくなり、非麻痺側下肢の前後の重心移動が極端に減少してしまいます。




このような症状を改善するためには、非麻痺側の膝の屈伸がコントロールされているなかで前後の重心移動を促すことが必要です。




この症状の確認方法は、先ほどお伝えした立位や歩行時に膝が曲がっているのか確認していただくことに加えて仰向けで、非麻痺側下肢を膝を伸ばしたままどの程度上がるのかを見てください。




仰向けの姿勢で、少なくとも股関節が45°くらいの角度まで上がらないと歩行時に膝の曲がりを強めてしまうので一度確認してみてください。




そしてこれらの症状に適した練習がこちらになります。

こちらの自主リハビリは、非麻痺側下肢での前後の重心移動を解説しつつ、練習方法をお伝えしています。非麻痺側だから出来ていると感じるかもしれませんが、麻痺側の動きや姿勢コントロールの影響があるのでチェックしてみると今までとは異なる感覚であったり、動きに繋がることもありますし、麻痺側の動きを改善するポイントにもなりますのでぜひ参考にしてみてください。



③非麻痺側の体幹の弱さ


最後の3つの原因になりますが、非麻痺側の体幹の弱さになります。



冒頭の動画で非麻痺側のお腹周囲は麻痺している可能性があるという内容を解説していますが、このお腹周りの麻痺、もしくは低緊張によって非麻痺側へ重心移動した際にお腹が潰れてしまうような活動になっていることが考えられます。




そして非麻痺側のお腹に麻痺や筋肉の弱さがある方は、非麻痺側の肩回りの筋緊張が高いことが多く見られ、これはお腹周りの弱さを肩回りの筋肉の活動で補っていることが背景にあります。




非麻痺側へ重心を乗せた際に、お腹が潰れてしまい体が強く傾くのを肩を持ち上げて姿勢をコントロールしています。




非麻痺側の上肢とお腹の筋肉が連動して活動していくことが必要で、その評価方法は座位で行っていきますが座位姿勢で評価していくことで、足の影響なのか、お腹周りの影響なのかが分かりやすくなります。




座った姿勢で、まずはそのまま非麻痺側へ重心移動をしていきます。この際にお腹が伸びているのか、それとも潰れてしまうのか手て触りながら数回確認してみてください。もしお腹が潰れてきてしまうかなと感じた方は、少し伸ばすことを意識すれば出来るのかなども確認してください。




お腹が伸ばせない、もしくはお腹が潰れる場合には、こちらの動画を参考にしてください。

こちらの自主リハビリは、先ほどお伝えした非麻痺側のお腹の弱さに伴う肩回りの筋緊張も含めて改善できる内容になっています。特に今の評価方法でお腹が弱いかなと感じる方だけではなく、非麻痺側の肩回りについて凝っている、硬いと感じる、言われるという方に適していますので、ぜひ参考にしながら練習してください。


〇さいごに


3つの原因を解説しまたが、同じ様な姿勢、重心移動の仕方でも根本的な原因であったり、練習すべきポイントは異なってきます。


リハビリはもちろんですが、日々継続的に行っていく自主リハビリで適した内容を選択することで、リハビリの効果をより高めることもできますし、身体機能を改善することも可能です。



一部歩行にも繋がる大切な要素になりますので、ぜひ参考にして練習に取り入れてみてください。



最後までお読みいただきありがとうございました。


佐藤