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【脳卒中 手のリハビリ】物を離せない原因は?握る力と筋活動 自主リハビリ

脳卒中の後遺症では、手の回復の方が遅れやすい傾向にあります。



腕~手にかけての筋肉の数が多く、足よりも微細な動きが求められることも影響していることが考えられます。



上肢のリハビリは、腕を動かせるようになってくると物を握って離す練習も開始します。



この握って~離すまでの一連の流れで特に「離す」動作が難しい方が多いので、どうしたら離せるようになるか指の筋活動に触れながら説明していきます。


手の機能、自主リハビリはこちら


〇物は握っていない


握る練習でペットボトルを良く使う場面がありますが、ペットボトルを本当に力強く握っているのでしょうか?

握るリハビリ


ペットボトルの重さで考えれば、実はほとんど握っていません。



ペットボトルを支えているのは



ペットボトルと皮膚の抵抗感+必要最低限の握る力です。



力強く握っていたらペットボトルは凹みますが、持って飲む動作の中ではそれほどの力は必要ではなく落とさない程度の力加減です。


〇指の力の切り替え  


次に指の力の切り替え、筋活動についてです。



持つ~離すためには指を曲げる~伸ばすに切り替えることになります。



この際に指が緩まない、あるいは伸びないことで離せないのですがその際に指を触ってみると、伸びないだけではなく曲がりづらさも同時にあることが多いです。



この現象は筋活動の「同時収縮」が起きており、曲げる、伸ばす筋肉が同時に活動してどちらにも動かしづらいという症状です。



同時収縮を軽減させるには、両方の力を抜くかどちらかに動かす(多動的に反対側の手で)必要があります。


関節はどちらか一方に動くことで、関節の位置が明確になり力のコントロールがしやすくなります。


〇掴んで離すまでの過程を考える


物を握って離すまではおおまかに4つのフェーズに分かれます。

この4つの過程が運動として繋がっているかが重要になります。



物を握る練習を始めると、握ることに意識が向きすぎて移動と離す運動が切り離されている場合があります。



手を動かす前に離すまでの運動イメージをすることで、運動同士が繋がりやすくなります。


〇離しやすくする自主リハビリのポイント


ご自宅で練習する際のポイントを紹介します。



1.硬さや重さなど物の質感を感じる

ペットボトルを持っているときに、手の皮膚との抵抗感が大切ですとお話しましたが重さが重くなると抵抗感は増します。そして抵抗感は物の硬さでもあります。



たとえばペットボトルでも、柔らかい、硬いものがあり持つ際は微妙に力のコントロールは変化します。



これを分かりやすく練習するために、ペットボトルやビニールのボールなど硬さが異なるものを触り分けます。硬さの違い=力の強弱の練習です。



2.運動のイメージをする

イメージは動かす前に行います。



①掴みにいく物までの距離感からどうやって手を伸ばすのか
②どのくらい手を開いたら掴めそうか
③握ったらどこに移動させるか
④手を離す
⑤手を戻す



この一連の流れをイメージしてみてください。



運動のイメージだけでも脳の活動は高まります。



運動イメージ、プログラムに重要な大脳基底核についてはこちらから





3.握る→緩める→伸ばす

指を曲げてから伸ばすのではなく、一度曲げる力を緩めてから伸ばすことを練習、意識してみてください。



緩めることが上手になってくると、無意識的に運動が切り替わるようになり離す際もスムーズになっていきます。



以上3つが練習のポイントになります。


〇さいごに


手のリハビリについて物を掴む~離すまでの流れをご説明しました。


練習方法などぜひ参考にしていただけますと幸いです。


自主リハビリなどで疑問やわからない箇所があればご連絡ください。

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引き続き投稿していきますので、よろしくお願いいたします。

佐藤