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豆知識
脳卒中の後遺症として、立位や歩行時に膝が伸びすぎる、伸びきってしまう状態を反張膝(バックニー)といいます。
膝が伸びきってしまうことで、膝関節がロックしスムーズな曲げ伸ばしが困難になります。
そこで今回の記事では、反張膝の原因を股関節、膝関節、足関節に分けてご紹介していきます。
反張膝に対する自主リハビリはこちらから(その他の自主リハビリはYouTubeにございます)
〇反張膝の原因となる各関節の考え方
1.股関節
立位や歩行でお尻が退けることで骨盤~大腿骨も後ろへ引かれます。
特にお尻が引けやすいのは、立脚中期~後期です。
立脚中期~後期にかけて股関節は伸展(足が後ろに動く)します。
しかし、股関節の前面の硬さや伸展の活動が弱いことで股関節が伸ばせずに曲がってしまうことで反張膝が生じます。
股関節の原因になるのは
・股関節の屈筋群の短縮、硬さ
・股関節の伸筋群の麻痺、筋力低下
このお尻が退けて股関節が曲がる姿勢でも、体を伸ばそうとすると腰を反ることになります。
この腰の反りが腰痛に繋がることもあります。
2.膝関節
実際に反張膝という現象を指している膝ですが、一般的に言われているのは大腿四頭筋の弱さです。
大腿四頭筋は膝を伸ばすための主動作筋です。
この大腿四頭筋がタイミングよく、そして力強く活動するためには大腿部の裏にあるハムストリングスが柔軟であることが必須です。
筋肉は骨の前後、左右同士で活動が相反しています。
一方が活動すれば、もう一方は活動が弱まります。
力が入りづらい部位は必ず反対の硬さをストレッチなどで取り除いてから、動かす練習をしてください。
膝でもう1つ原因となるのが大腿四頭筋の弱さにより反張膝が生じた結果、膝の中にある靭帯が硬くなることです。
膝の靭帯はいくつかありますが、重要なのは後十字靭帯です。
靭帯は骨の動きを制限してくれる組織です。
後十字靭帯はすねの骨が後ろに行き過ぎるのを止めています。
反張膝ではこの後十字靭帯が常に緊張している状態ということになります。
靭帯と筋肉の関係性は、①筋腹、➁腱、③靭帯の順番に活動することが望ましいとされており、靭帯が常に緊張していると筋肉の活動を低下させることが考えられます。
靭帯の緊張を軽減させることで、筋肉が活動しやすい状態になります。
3.足関節
最後に足関節(足首)ですが、先ほどの立脚中期~後期にかけて背屈~底屈へと動きます。
特に立脚中期や立位姿勢での背屈角度が制限(踏み込めない)されることで脛の骨が後方へ傾き反張膝となります。
背屈制限は筋肉の硬さだけではなく、つま先でつっぱってしまうことでも生じるので「踏み込む」ということを意識して足首を動かしてください。
反張膝についてYouTubeでも解説していますので、合わせてご視聴ください。
反張膝は膝関節だけではなく、下肢全体の動きや緊張などを含めたアプローチが必要です。
〇さいごに
今回は反張膝について各関節ごとに起こりえる原因を紹介しました。
原因が1つではなく複合的に生じることもあるので注意してください。
症状としては膝ですが足全体を見ることも重要ですので、反張膝でお困りの方は参考にしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
引き続きよろしくお願いいたします。
佐藤