ご予約お問い合わせ

トータルリハビリテーション

トリアロゴ

お電話での予約・お問い合わせ
TEL.047-711-3007

ニュース&ブログ

豆知識

【脳卒中 筋肉の硬さの正体は⁉】短縮 筋緊張

脳卒中、脳血管疾患を発症された方は、筋肉の硬さで悩まれてる方が非常に多いです。



脳卒中を発症された初期は筋緊張は低下し、筋肉が柔らく力が入らない身体状態になりますが、経過とともに筋緊張が高まり筋肉に張りが戻ってきます。



この筋緊張が高まり始める事と同時に、筋緊張コントロールが難しい事が原因で筋肉の硬さが生じてきます。



筋肉の硬さは大きく2つ

・筋肉の短縮

・筋肉の筋緊張が高い



両者とも触れば硬いですが、原因は異なります。



今回の記事では、2つの原因とリハビリのポイントについて説明していきます。



こちらの動画では脳卒中後の筋肉の硬さを、短縮、筋緊張、出力の3つから解説しています。

本記事と合わせてご視聴いただくことで、より筋肉の硬さの原因、違いについて分かります。


こちらの動画は感覚情報から姿勢や運動を調整する自主リハビリです

正しい感覚情報を促すことで、筋緊張のコントロールを促すことが可能です。



〇筋肉の短縮とは


短縮とは言葉の通り、筋肉が短く縮んでいる状態を表します。



筋肉は本来ゴムの様な性質で、伸びたり縮んだりしますが麻痺の影響などで動かしづらく、伸び縮みが少なくなると一定の長さに保たれてしまい短縮し硬くなります。



この短縮を軽減させるためには、まずはリハビリで筋肉を活動させることが必要です。



筋肉の活動は求心性収縮、遠心性収縮がありそれぞれ縮む方向、伸びる方向に活動する筋収縮です。




どちらの収縮であっても筋肉を動かす、伸び縮みできる範囲を広げることを優先します。




動かせる範囲を広げるためにストレッチという選択もありますが、ストレッチは筋緊張を低下させてしまうので刺激量には注意しながら行う事が大切です。




実際に筋肉を求心性もしくは遠心性収縮させる方法は、「筋肉を押すか引っ張るか」です。




筋肉の収縮が生じるのは、体を動かそうとした時と重力や姿勢などで無意識的な活動です。




この後者の活動、神経活動を利用して筋活動を促していきます。




重力や自身の体の重さなどで、体の筋肉が押されたり部位によっては引っ張られます。




その刺激に対して体は、筋活動で支持して安定しています。




筋肉の繊維に沿って押す、引っ張ることで必ず押し返す、引っ張り返す作用が生まれます。




この作用を利用することで、力任せに伸ばしたり、痛みを感じることは極端に軽減します。




痛みを伴う刺激は、体が拒絶・防御しようとしてかえって筋肉が硬くなる場合もあるので細心の注意が必要です。




〇筋肉の筋緊張が高い


次に筋緊張についてです。




筋緊張とは体を安定、動かすために必要な筋肉の張りです。




寝ている姿勢(安静姿勢)では、体がベッド面に支えられているので全身の筋緊張は低下します。



筋緊張が低下するといっても完全に脱力して、筋肉の張りが全くない状態ではありません。



常に重力と支持面へ適応するために、必要最低限の筋緊張を保ちながら生活しています。



この必要最低限ということが重要で、ベッドに寝ていても手足や腰、首などの緊張がコントロールされずに筋緊張が高い場合もあります。



これが脳卒中による筋緊張コントロールの障害の1つです。





筋肉の張り=筋緊張は高すぎても、低すぎても姿勢や動作へ影響を及ぼします。





リハビリで目指すべき筋緊張の正常は、高緊張↔低緊張といった上下をコントロールできることにあります。




筋緊張をコントロールできるためのリハビリは、ご自身の体や姿勢を無意識に感じ取れることが大切です。



自身の体の位置や長さといった感覚情報(無意識)がより正確に判断できることで、どの程度の緊張があれば姿勢を保てるのか、動かせるのかが認識できるようになります。




筋緊張に対してもストレッチが選択されることが多いですが、先ほどの短縮へのストレッチ以上に防御的な活動になりやすくより筋緊張を高める危険性があります。




筋緊張は脳が24時間、絶え間なくコントロールしており姿勢や運動に必要だと感知している結果なので姿勢や運動を安定させることが重要です。



寝ている姿勢であれば、背中や太ももの裏がベッド面にしっかりと接触して安定しているかなどを評価します。




ベッド面への接触が少なるなれば、不安定になるので必然的に筋緊張を高めて体を安定させようと活動してしまいます。




このような原理で座位や立位なども安定することで、必要最低限の筋緊張で体を動かすことができ歩行時の内反や肘の曲がりなどを軽減することに繋がります。




〇さいごに


今回は筋肉の硬さを2つの要因から説明しました。



短縮、筋緊張ともにリハビリではストレッチが選択されやすいですが、脳・神経が拒絶せずに効果が持続するにはその背景にある原因へのアプローチが必要です。



体の硬さが気になる、動くと無意識に曲がってしまうなどの症状でお困りの際はお気軽にご相談ください。




最後までお読みいただきありがとうございました。



引き続き投稿していきますのでよろしくお願いいたします。



佐藤