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豆知識

【脳卒中 硬さの原因となる過剰連結とは】求心性活動

脳卒中の後遺症として、手足や体幹の硬さがありますが原因の1つに過剰連結があります。



この過剰連結があることで、手足を動かすときによりコントロールしづらくなり、こわばりやつっぱりなどの症状として感じやすくなります。



また手足の関節が伸びづらい、麻痺側の手足が短く感じるなどの症状も過剰連結している場合が多いです。



今回の記事では、過剰連結とはどんな状態なのか、どんなリハビリが必要なのか紹介していきます。


〇過剰連結とは


過剰連結とは「体幹や手足・頭の繋がりが必要以上に求心的な活動により過剰になっている状態」です。

トリアのリハビリ理論9


体幹と手足・頭は皮膚や筋肉で物理的に繋がっています。



そこへ神経の働きでどのくらいの力、方向、速度で筋肉を動かすのかにより機能的に体幹と手足が繋がります。



例えば腕を挙げることを考えてみましょう。


腕が動くことと同時に肩甲骨や肋骨・背骨、姿勢によっては骨盤も動きます。


このように身体の一部分が動くことにより別の部位も連動して動くのが機能的な連結です。



しかし脳卒中により麻痺が生じると、神経活動がうまくいかずに筋肉へ力が入りづらくなります。



リハビリの経過とともに手足を動かせるようになってきますが

・腕を引き込む動かし方
・歩行で足を持ち上げるような動かし方 

などの代償動作を繰り返すことで機能的な連結ではなく過剰連結が生じてきます。



この過剰連結を使ったまま動いていると手足が伸びない、こわばる、麻痺の症状が重症化しているように見えるなどの影響があります。



麻痺の症状が重症化して見えるというのは、

誤った動き方を学習してしまうことで実は麻痺が少ない部分も動かせない、動かし方が分からなくなることです。


〇過剰連結の原因


先ほども少し触れましたが、手足を引き込むような動作で過剰連結は生じやすくなります。



また人それぞれ過剰連結している部位や動かし方は異なるので、それを感じ取れる療法士のスキルが必要です。



当施設でのリハビリを徒手療法に限定しているのは、筋肉や神経の活動を瞬間的に捉えて変化、調整することを重要視しているからです。


・腕を挙げる

腕を挙げる際に肘が曲がっている、肩が上がるなども代償動作の一部です。



この代償は現状で腕を動かすためには必要ですが、コントロールしづらい状態になります。



手を挙げる、伸ばすためには、腕が体幹から遠ざかっていく遠心性活動が重要です。


・歩行時に足を持ち上げる

歩行において足は、前後の動きが中心となり動いています。



しかし足を振り出すための推進力を股関節や足首で生成できない場合は、足を上に持ち上げて上下の動きで歩行することになります。



この代償動作が足と体幹の過剰連結に繋がりやすくなってしまいます。


〇過剰連結に対するリハビリ


過剰連結は手足が体幹に求心的に引き込まれている状態です。



この引き込んでいる力を軽減させ、手足を伸ばす方向へ運動を切り替えるためには関節、筋肉を押すことが大切です。



そして重要なポイントは、筋肉の走行に沿って押すことです。


人の筋活動は常に重力、重さに逆らう働きがあり押されると押し返す反応が必ずあります。



この反応は例えば立つ時に足に体幹や腕、頭の重さが荷重されますがその重さに対して適切な筋活動を生み出しで足を伸ばしています。



足が体幹や腕の重さに押されて(重力があるので)それに反応しています。



この反応は全身にあり、適切な力の強弱、方向、速さでコントロールできることが重要です。




実際のリハビリ場面

1つ1つの筋活動を遠心性に切り替える調整をした後に、足全体での無意識的な支持性を高めています。



セラピストが足を押した力に対して、真逆の方向に同じ力で押し返す反応が現れると足に荷重した重さに対しても無意識的に支持することができるようになります。



写真は一場面ですが、歩行や立ち上がりに必要な関節の角度へ変えながら様々な位置で反応を高めていくことが必要です。



この反応を捉えることで、立ち上がりや歩行時の介助が単純に支えるだけではなく、より筋活動を引き出せる介助方法も可能になります。


〇さいごに


麻痺という言葉の中身は様々で症状も異なります。


筋肉を伸ばす、鍛えるだけでは今回の過剰連結は解決できません。


ストレッチしても硬さがすぐに戻ってしまうとお悩みの方はお気軽にご相談ください。


最後までお読みいただきありがとうございました。


引き続きよろしくお願いいたします。


佐藤