トータルリハビリテーション
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豆知識
脳卒中後遺症では、麻痺と失調という運動に関する症状があります。
失調という言葉を聞いたことがない方もいらっしゃるかと思いますが、多くの方が麻痺と失調が混合した症状となっています。
今回の記事では麻痺と失調の違い、それぞれの症状に対する練習方法を紹介していきます。
まずは動画で確認したい方はこちらから
〇麻痺と失調の違い
【麻痺】力が入らない、または入りづらい状態
【失調】力が入るが入りすぎてしまう、またはコントロールができない
図で表すとこんな感じになります。
運動はいろんな情報をもとに脳でプログラムされ筋肉へ指令が届き、関節が動き体が動いています。
麻痺はこのプログラムが上手くいかない結果、筋の活動が低い状態にあり
失調では筋肉は働く場合が多いですが、運動コントロールが苦手になります。
それでは麻痺と失調の症状に必要なリハビリ、自主リハビリの要素は何かについて。
麻痺の症状は運動がイメージできる、記憶と運動を結びつけることが大切です。
例えば座っていて、目の前のコップを掴むとします。この動作の中にどのような情報、環境があるか分解していくと、コップまでの距離、自分の姿勢、コップの大きさと重さ(質感)などがあります。
コップまでの距離:手を伸ばすだけで届くのか、体を前に倒す必要があるのか
姿勢:重心を変える必要があるか
コップの大きさ、重さ:どれくらい手を開けばいいか、掴んで持ち上げる時の力
これらの情報を脳は瞬時に計算して、手が伸びてコップを掴んでいます。
これらの分解した要素をどれだけイメージでき、記憶の中にある手を伸ばすという動作と結び付けられるかが麻痺に対してのリハビリになります。
次に失調ですが、同じコップを掴むという動作で考えると、手を伸ばす速度や力などのコントロールが必要になります。
失調で大切なのが、まずは自分の体をどれだけ感じれるかです。
特に、手足や体の重さや長さが重要になり、正確に感じれることで運動がスムーズになります。
その後、物の重さなどを正確に捉える練習になります。
では最後にそれぞれの症状に対する自主リハビリのポイントについて紹介します。
〇麻痺の症状への自主リハビリ
・両手、両足動作を練習する
麻痺していない側の手足の動きの感覚を感じることで、イメージや記憶と結びつきやすくなります。
・手足を動かす練習では、目標を決める
物を置いても、ここまで動かす!という意識でどこまで動かすのかイメージしてから動かします。
これは、視覚からの情報で、運動のプログラムがされやすくなります。
〇失調の症状への自主リハビリポイント
・どんな練習でも手足の重さを感じてみる
仰向けで手足を床から浮かさずに、肩や股関節を開いたり閉じたりします。
これは手足の重さを正確に感じるための練習です。
重く感じる→力を必要以上に入れてしまう→硬くなるという悪循環を軽減させることが大切です。
失調に対する自主リハビリはこちらから
力のコントロールに小脳の機能は重要です。
出血や梗塞部位が小脳ではなくても、小脳が過活動している場合などもあります。
〇さいごに
麻痺と失調ではリハビリ、自主リハビリの内容は大きく異なります。
ご自身の症状がどちらなのか療法士の方に見ていただきながらリハビリを進めてください。
質問や疑問があればお気軽にお問い合わせください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
佐藤