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豆知識

【脳卒中 筋と腱を理解する】筋出力 筋活動 筋緊張

筋肉は脳からのプログラムによって活動していますが、全身の状態や感覚情報が常に脳に届きその情報をもとに動き方は決められています。


筋活動を調整・治療していく際は、筋肉を筋腹と腱に分けて評価、リハビリすることが大切です。



今回の記事では筋活動を臨床上でどのように考えていくのか紹介していきます。


〇筋腹と腱とは


筋肉は筋腹と腱に分けられます。



全身の筋肉は例外なくこの筋腹と腱の構造になっており、腱が骨へ付着しています。




力を入れていない時は、筋と腱の両者ともに緩んでいる状態です。



しかし脳卒中などの脳、神経系疾患の後遺症や症状では意識的に力を入れていない状態でも筋腹や腱が緩まずに緊張している事があります。



これを筋緊張が亢進している、低下していると表現しています。



今回の記事で一番重要なポイントが、緊張が亢進、もしくは低下しているのが筋腹なのか腱なのかという点です。



筋肉が活動する際は、筋腹の緊張が高まることで腱が伸ばされ緊張します。



この筋緊張や筋活動の調整は脳が行っていて、脳卒中の後遺症によりこの筋腹から腱という活動順序が逆になっている事があります。



〇筋腹と腱の活動


活動順序が逆になっているというのは、力を抜いていても腱が活動し緊張している状態です。



腱が運動とは関係なく緊張している状態では、筋腹が低緊張になっており運動時にも筋腹に収縮が生じづらい事が多く見られます。



通常は筋腹から腱への順序が、腱から活動してしまうことで脳は筋腹が活動いている状態だと感知してしまい運動時にも筋腹へ収縮、緊張が高まりづらくなってしまいます。



この場合のリハビリは、関節運動で筋肉全体を動かすと腱から刺激されてしまうので関節を動かさずに筋腹へ直接刺激をし筋緊張を高めていきます。



筋腹の緊張が高まることで、腱の過剰な緊張が軽減し筋腹から腱への活動へ促すことができます。



リハビリでは関節運動によって筋肉の長さや張力を変化させることが多いですが、関節運動を起こさないということも非常に重要な場合があります。




〇筋肉と靭帯


最後に筋と腱以外の内容で、靭帯について紹介していきます。



靭帯とは、関節部位にあり骨の動きを止めている組織です。



スポーツ選手の怪我に多い部位ですが、過度な関節ストレスなどで損傷することがあります。



先ほどの腱や筋腹の緊張が高くなることで、骨の位置が数ミリ単位でズレていくことがあります。



このズレを止めているのが靭帯です。



靭帯の活動順序は、筋腹→腱→靭帯であり腱の活動のさらに後です。



一番最後に活動することで、関節はスムーズに動きながらも骨が過度にズレるという事を防いでいます。



しかし骨、関節の位置(アライメント)が変化し常に靭帯にストレスがかかっている状態では、筋腹の活動はさらに難しくなります。



リハビリにおいて筋肉へのアプローチが多いですが、関節の状態次第では骨の位置からの介入が必要な場合もあります。



当施設では、骨・関節と筋腹・腱の活動をより並列的に治療していくことを行っています。



セラピストの手からの刺激で、瞬間的に変わっていく筋緊張やアライメントなどを感じ取り、その瞬間に必要な治療部位を選択していきます。


〇さいごに


今回は筋肉や腱などの少し細かい内容でしたが、全体像を把握して動きのパターンや動作を見る、変化させることに合わせて細かな治療部位の選択は常にリンクしています。



1つの筋肉の活動が変化することで、その活動は全身へ繋がり大きな変化が見られる場合もあります。



常に全体と細かな部位の双方の視点で評価、リハビリしていくことが重要です。



最後までお読みいただきありがとうございました。



引き続きよろしくお願いいたします。

佐藤