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【脳卒中 バランスにおける安定と固定とは】姿勢制御

リハビリにおけるバランスの評価は、評価バッテリーにおける点数や合計点数で転倒のリスクなどを評価していくことがあります。




しかし評価自体は、出来る、出来ないなどの内容で実際の姿勢や姿勢コントロールが含まれていない場合もあります。



そこで今回の記事では、バランスにおける安定と固定の違いについて紹介していきます。



言葉の意味合いもそうですが、リハビリの場面においても重要なポイントになります。




〇バランスにおける安定と固定


まずは簡潔に言葉の内容を説明すると



安定とは、各関節や筋肉が柔軟な状態であり様々な姿勢や動きに対応できる安定性


固定とは、各姿勢や動きのなかで関節や筋肉を止める、固めることで安定性を高めている状態




内容を見るとどちらも安定性はありますが、安定性がある中でも柔軟に姿勢や動きを切り替えることができるかという点が大きく異なります。




ここに関わる要素は、重心や姿勢コントロール、感覚情報など多くの神経系や筋骨格系の内容が関与しています。




例えば立位におけるバランスでは、本来立っている際は前後左右へ数ミリ~数センチの幅で常に体が動き揺れています。




この揺れは、前後左右に動くことで足底からの情報を常に脳へ伝達することで姿勢をよりコントロールする作用や呼吸による体幹の動きなどがあります。




また一定の位置・重心で姿勢を固定してしまうと、全身の筋活動も一定となり局所的に筋疲労や筋緊張が高まり姿勢保持が難しくなります。




そのため姿勢においては、固定ではなく安定した活動が非常に重要な項目になります。



〇安定を高めるリハビリとは


座位や立位における安定を高めるには、柔軟な体幹や手足の活動と傾きを正確に早く感知できることが大切です。



倒れない、傾かない様に1点で座る、立つ活動は固定になりやすくわずかな姿勢変換や変化で大きくバランスを崩す可能性が高くなります。




柔軟な体幹や手足、特に体幹である脊柱(背骨)や肋骨の可動性があることで傾いた際に修正、調整する活動を高めることができます。



バランスを高めるためには、特に体幹や中枢部(肩周囲や股関節)の柔軟性に対してリハビリを行うことが効果的となります。





もう1つのポイントが、傾きを正確かつ早く気づけることです。



実際に座位や立位、歩行など大きく体が傾いた際は、傾いたと認識している段階で姿勢の調整が開始されています。



これは視覚や前庭(三半規管など)の情報が、見ている景色と頭の傾きなどを統合して倒れないための姿勢制御を常に作用させています。




このことから、体が傾いたと感じてから意識的に姿勢を調整し始めては転倒のリスクが高くなります。




このように意識的にバランス、姿勢を調整し続けると体をいかに傾けない、バランスを保つかという活動が強くなり全身的に固定的な作用が強くなってしまいます。




実際のリハビリでは、体が前後左右へ傾いた瞬間に無意識での姿勢調整が行われることが必要です。




下記動画の4分12秒あたりから歩行における姿勢制御を高める介入をしています。

セラピストの徒手的な刺激に対して、自動的・無意識的な応答を高めることで実際の歩行場面でも姿勢制御がされやすくなります。




リハビリにおけるバランス能力は、姿勢を止めることや留めることでは実際に動いた際の姿勢制御とは異なるので注意が必要です。




YouTubeのショート動画でも様々な内容を投稿していますので、ぜひご視聴してみてください。


ショート動画では、バランス以外にも投稿しています。



YouTubeの動画では、自主リハビリを中心に投稿していますので参考にしていただけますと幸いです。

〇さいごに


体の動きは連続した姿勢の繋がりと言われることもあり、各姿勢における安定性が大切です。



特に脳卒中を発症され筋緊張のコントロールが難しい場合、固定的な姿勢を繰り返すことでより姿勢筋緊張や運動時筋緊張を変化、調整することが困難になります。



常に筋緊張を変化させられることが、姿勢の安定性を高めるポイントにもなります。




最後までお読みいただきありがとうございました。



引き続き投稿していきます。


佐藤