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【脳卒中 感覚と意識の関係性】感覚障害

脳卒中による症状には、動きや姿勢以外にも感覚障害が伴う場合があります。



感覚は一般的に言われている五感(触覚、視覚、嗅覚、聴覚、味覚)だけではなく、平衡感覚や運動感覚、深部感覚など感覚の種類を細分化していくといくつも存在しています。



また実際に感覚を意識的に感じる、感じとる、認識するまでにはいくつかの過程が存在します。


感覚を認識するまでの過程はこちらの記事
【脳卒中 感覚の理解と感覚障害】


いくつもの種類がある感覚情報を感じ取るためには、意識が非常に重要な要素です。



今回の記事では、感覚と意識の関係性、リハビリへの応用などを紹介していきます。




〇感覚と意識の関係性


感覚は常に24時間、様々な情報が体や脳へ取り込まれいます。



しかしそれらを全て感じることは不可能で、場面や環境に合わせて感じる感覚は取捨選択され続けています。




いくつかの例を紹介いていくと衣服を着た際には、着ている瞬間や過程では生地の肌触り、重さなどを感じますが数十秒後には感じなくなります。



これは生地の肌触り、重さなどの情報は常に必要ではないので意識されない感覚情報として処理されています。



時計の秒針では、カチカチという音は生活していても気になりませんが夜などにテレビや環境音が減少する事で秒針の音が聞こえる場合があります。



この2つの例はともに、意識した瞬間に感じ取ることが出来る感覚情報です。




物へ意識を向けることで物から得られる感触や音などを脳が取り込もうと作用した結果になります。




これらは自身の体においても同様に作用しているのですが、立っている場面を想像してみると地面や床に対して両足で踏ん張って伸びているという意識と足の踏ん張りを気にせずに体全体(特に体幹)が伸びて立っている意識では異なる感覚を感じることになります。




しかしこの立っているという動作、現象自体は同じです。




同じ動作や姿勢において、どこに意識を向けるのかで得られる感覚情報は大きく変化します。



これがリハビリにおいて非常に重要になり、歩行練習でもどこへ意識を向けるかなど考えていく必要があります。




また意識は、「意識を向ける」などの表現が一般的ですが、「意識を投射」するという表現もあります。




意識を自身に投射するのか、自身以外の物や環境に投射するかでも得られる感覚は異なります。




ボールを持ったことを想像してみると、ボールを持った際の手の形や力加減に意識を投射するとボールの硬さや重さという情報は得られづらくなります。




反対にボールの材質や重さ、硬さに意識を投射する場合には手の力加減などは意識されづらくなります。




こういった感覚と意識の関係性をリハビリに活かしていくことで、姿勢や運動、出力コントロールなどの改善へ繋がりやすくなります。



◯リハビリにおける意識


ここまでの内容をリハビリに応用し感覚の改善に繋げていくためには、動作練習あるいは物を使った練習においてどこに意識を向けるかで大きく変わってきます。


こちらの動画で解説しています。

リーチ動作では肩や肘、指先の関節角度に意識を向ける場合と腕全体の重さを感じながら動かす場合では得られる感覚が異なります。




関節角度に意識を向けると関節からの曲がった、伸びたなどの情報が分かりますがどの程度力が入っているのかは不透明になりやすいです。




特に動作時に筋肉が硬くなってしまう、力が入りすぎてしまうなどの場合は腕の重さへ意識を向けることで力のコントロールがされやすくなります。




腕全体の動いている感覚が分かりづらい場合には、抵抗感(物の重さ)をある程度高めることで動いている感覚を得やすくなりますので何かを持ちながら腕を動かすことが最適です。




こういったように改善したい、変化させたい動きや運動コントロールによってどこに意識を向けるかで感覚だけではなく動きそのものも変化していきます。



◯おわりに


今回は感覚と意識について紹介しましたが、歩行訓練などでもどこに意識を向けるかで大きく変化します。



感覚に対するリハビリにおいても、患者さんがどこへ意識を向けているのか、もしくは向けづらい原因があるのかなどを見ていく必要があります。



最後までお読みいただきありがとうございました。



佐藤