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【腕や足が重い】片麻痺患者が感じる重さの原因と改善方法

 脳卒中後の症状には、体の一部が重い、腕が重い、足が重いなど身体部位を重く感じる場合があります。


 重さを感じている方の多くがおっしゃるのは、この重さ自体は目に見えるものではないので、慣れるしかない、理解してもらえないことがあるなどの内容が非常に多いです。


 しかし実際に療法士は手足を持ったり、動かしたりする瞬間に重さを感じ、これは手足を動かせるようになれば解決するという事ではなく原因へのアプローチが必要となります。

こちらの動画では、体の重さに対する自主リハビリも紹介しながら解説しています。


○体や手足の重さの原因とは


 脳卒中後に体の一部が重い、手足が重く感じるという場合にどういった原因が考えられるのでしょうか。


 担当した方々の共通点は、出力過多になっている事が多いです。出力過多とは動作や物の重さ以上に力を発揮してしまう症状で、筋緊張の障害や感覚障害、随意運動の程度など様々な要因が関係します。


 また脳卒中後に一定期間経過して、手足が動く様になってきた、歩けように、腕が動きはじめたなどのいわゆる随意性や体を動かせるようになったタイミングで重さを感じ始めた方が多いです。



 ここから分かることは、決して腕や足、体などの質量的な意味合いでの重さではなく動かし方や感覚、力の入れ具合などから重さを感じていることが考えれます。



 身体の質量、例えば腕であれば体重によりますが4~5kg前後あるのでこの重さを感じているとすれば、脳卒中後の低緊張と言われる、手足がだらんと力が入らない、動かせない時期に重さを感じていることになります。



 体の質量を重く感じているという事ではなく、他の要因を考えていく必要があります。



 それが出力過多という症状になりますが、文字の通り力が必要以上に出すぎてしまっているという状態で、動かせる範囲や力が弱く感じている方の中にもこの出力過多はほとんどの方に見られる症状の1つです。



 この出力過多もいくつかのケース、パターンに分かれますので姿勢と動き方に関して分けていきたいと思います。


 重さの原因には小脳という脳部位が関係している可能性もありますので、こちらの記事で小脳についても理解できます。
【脳卒中 小脳性運動失調の原因】揺れる 重い 硬い


○姿勢による重さ


 まずは姿勢というのは、よくリハビリ場面で「力を抜いてください」と言われる、もしくは無意識に力が入ってしまうなどの症状で、この背景にはそこに力を入れないとどこかが安定しない、手足の位置が分かりづらいなど何かしらの原因が考えられます。


 それを無視して、硬いからと言ってストレッチか可動域を広げるようなリハビリをしてしまうと、反発して硬くなってしまう事もありますので、まずはなぜ緊張が高いのか、硬くなってしまうのかを考えなければ解決できません。


 この無意識に力が入ってしまうという状態、姿勢に合わせていざ体を動かそうとすると、手足を動かす力以上に筋出力がでてしまうのでこれを重く感じているということが考えられます。


 では実際にどういった内容でリハビリしていくのかですが、姿勢の安定をベースにしつつ、簡単に表現すると体への刺激の気付きを練習していきます。
 

 無意識に力が入ってしまうことを考えると、姿勢の不安定性や傾きが影響している事があるので、必ず姿勢の調整は行います。


 その上で手足へ介入していくことが多いですが、刺激への気付きというのは例えば腕を押されているのか、引っ張られているのかなどの感覚を高めていくことになります。


 無意識に力が入ってしまう方の多くが、手足が動いている感覚が弱い、鈍いことがあり、これは力が入ってしまうので他の感覚情報が上手く脳の中で判別できず処理できない状態になっている可能性があります。


 無意識に力が入ってしまうというのは、姿勢などの要因からご自身の体の内部で生じているので、必ず体の動きの変化や力の変化への気付きや感じ方を改善していくことが重要になります。
 

 腕を押されているのか、引っ張られているのか、筋肉が縮んでいるのか、伸びていくのか、これらの感覚を高めていくことで、今手足がどういった状態になっているのかが明確に感じ取れ無意識に力が入ってしまうということが軽減、改善されていきます。


 そこで姿勢の安定をベースに出来るだけ手足の緊張を軽減しつつ、ご自身の体の動きを感じ取るような練習が必要になります。
※練習方法は、ページ上部にあります動画で解説しています。

○動作による重さ


 次に動作における重さですが、身体部位の一部を重く感じている方の多くは動く際に力が入りすぎている事が多くなります。


 この力が入りすぎてしまう、出力過多の状態の中でも動き始めから終わりまで一定の強さで力が入ってしまう場合に重さとして感じている場合があります。
 

 腕を挙げる際で例えると腕の位置、角度によって力の入れ方や強さは必ず変化していきます。肘が曲がったような位置と肘が伸びている位置では、肘が伸びている方が負荷量が強いので、その負荷に伴って力も強くなります。


 しかし重さを感じている方は、どの位置や角度でも同じような力の強さ、そしてその力が強すぎてしまう力でコントロールしています。


 実際のリハビリでは、腕の位置や角度において、身体部位のどこに力が入っているのか、もしくはどこかの安定性が低いのかなどを探りながら進めていきます。
 

 決して重さを感じている身体部位の筋力を高めたら解決するという事ではないので、力のコントロールがどの様にされているのか、ここを明確にすることが大切です。
 

 こういった症状の方は、動いた際にいわゆる突っ張りやこわばりを感じていることがあり、根本的な課題としては力の強弱のコントロールになります。


 動きによって感じる重さに関するポイントで、先ほどの姿勢では体内部での変化を感じることでしたが、力の強弱に関しては物などの抵抗感や重さを感じることが重要になります。



 力が強くなりすぎてしまうことに合わせて強さが一定になっている場合には、物の重さの違いなどを感じ取ることが難しくなるんですが条件設定を行うことで、この重さの違いを感じ取る練習は可能になります。
※練習方法は、ページ上部にあります動画で解説しています。

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〇トリアのリハビリ相談 公式LINE

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 当施設では日ごろの店舗でのリハビリや訪問リハビリ等に加えて、当事者の方や患者さんへの情報発信を行っております。本サイト上でのブログの更新、YouTube、各SNSなどを取り組む中でより患者さんが感じている疑問や不安などの声を聞く様になりました。その疑問などにお答えして、リハビリやご自宅での自主リハビリが良い方向へ進むようにトリアの公式LINEでリハビリ関する内容についてお伝えしています。

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 こちらのLINEでは、退院後に療法士と話す時間が無い・減った、症状の原因を知りたい、改善するには何をしたらいい?などの疑問やご質問にお答えしていますのでお気軽にご連絡ください。

○さいごに


 痺れなどと同様になかなか理解してもらえないという風な声もあり、脳卒中後の症状には、動きなどの目に見えるものだけではなく、感覚などの要素を考えていくこも非常に大切です。


 身体が重いから力が少ない、筋力をつけるという考えではなく、なぜ重く感じているのかを様々な側面から考える必要があります。



最後までお読みいただきありがとうございました。

〇執筆・監修者情報
 佐藤浩之:施設長
~経歴~
 1991:千葉県生まれ
 2013:国家資格(理学療法士)を取得し、千葉県内の病院へ入職
 2015:大手自費リハビリ施設へ入職し施設長を経験
 2017:JBITA公認ボバース成人片麻痺基礎講習会修了
 2022:トータルリハビリテーション トリアを開設