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豆知識

【脳卒中/連合反応や代償はどこまで練習すべき?】

ご自宅での自主リハビリや生活上で悩む方も多い、代償動作や連合反応についてお伝えしていきます。



この記事では、代償や連合反応がどういったものなのかではなくて、自主リハビリをする上で代償、連合反応が出ていてもやるべきかどうか。ここを解説していきたいと思います。




こういった判断は難しい場合もありますが、場面や環境なども含めて考えていかなければいけない内容となります。



どこまで練習していいのか、代償が出てしまうけど大丈夫なのか、この辺りで悩まれたことがある方は、参考の1つとしてお読みください。

代償や連合反応における自主リハについて、動画で確認したい方はこちらからご視聴ください。

○代償や連合反応があっても練習すべきか?


代償動作や連合反応などの本来は軽減したい症状ですが、これが生活場面や自主リハビリをする上で生じてしまう、それでも練習は続けるべきか?



この内容は療法士、セラピストでも意見が異なる事が多く、ご病気を発症されてからの経過、日数などによっても変化していくこともあります。



「回復期の療法士、退院後のリハビリでの療法士には違うことを言われた。」



そういったように時期でも大きく変わる可能性もあります。




今回は一個人、僕の考えになるので参考程度にお読みいただき、結論からお伝えするとある程度の代償動作や連合反応が生じてしまっても、動かしていくことをお勧めします。



リハビリは、代償動作や連合反応などを軽減して、効率よくスムーズに動かせるために行っていきますが、かならず患者さん自身の動かす意識や意欲などが必要になります。



そして動く、動かしていく中で代償などが生じてしまった際に、それを軽減する、どうしたらもっと綺麗にスムーズに、滑らかに動かせるようになるのか、ここを考えて、サポートしていくことがリハビリだと考えています。




決してこれはダメ、この動きはしないでください、こういった制限をかけることではなく、患者さん自身がやりたい、やってみたい内容をサポートすることが本質だと思います。




代償が強くなるからやらない方がいいという方もいるとは思いますが、それは入院中などで毎日リハビリを受けられるという環境だけで、特に退院後に制限をかけすぎてしまうと筋の萎縮だけではなく、神経活動も低下していくことも考えられるので、すべてがダメというのはあまりおすすはできません。


○患者さんの体験談とチャレンジ


担当していた患者さんの体験談は、外出時にご家族と車でコンビニに寄った際に、車から降りてふと、車止めの石の上に乗れる気がすると思い乗ったらよろけて転びそうになってしまったという内容です。



それでご家族から怒られてしまったんですというお話をされていて、それがすごく印象的でした。



これはご自身のお身体の状態なら出来そうかもしれないという感覚で、その石の上に乗ることを体の状態を比較して出来そうかもしれないと感じた結果です。



たしかに危ない、転倒してしまったら骨折などしてしまうのでというのは分かりますが、その発想、思いに至ったことがすごくうれしくて、こういったやりたい、出来そうかもという感覚は非常に大切でこれを抑制、制限してしまうのは改善のきっかけを減らしてしまうことも時にはあります。



出来そう、やってみたいという動作や内容はできれば療法士の方に相談しながらチャレンジしていくことが大切です。



あとは、こういった練習をしてるんですが、代償や連合反応がでてしまって続けても大丈夫ですかといいうご相談もあり、これも先ほどと同様にあまり止めることはありません。



大事なのは、その練習でなぜ代償などが生じてしまうのか、それを患者さんと考え感じてもらうことで、代償を軽減したなかでの練習が可能になったり少し変えた内容で提案してあげるなど選択肢が増えていきます。



選択肢を増やすというのも大切で、こういった症状が出た時には、このポイントに意識を向ける、動かす方向を変えてみるなどいくつかの方法を知っていることでご自宅でも練習がしやすくなっていきます。



この練習や方法がいけないというよりも、どうやったら代償を減らせるのか、その練習の目的はどこにあるのかなどを考えていくことの方が重要になります。

○おわりに

このように担当した療法士の方によっては反対の意見を言われたということもあるかもしれませんが、脳卒中を発症されてからの経過や練習内容によっても判断は異なることもあります。



しかし患者さんのこれをやりたい、この動作を改善したいという想いや意欲、意識などが大切になりますのでそれをどんな形で可能にしていくのかをよく相談、話し合いながら進めていくことが大切です。



決してやってはいけないという事ではなくて、練習方法のやり方やポイント、負荷量や動かす速さ、意識する部位や感覚で変わることもありますのでそのあたりを療法士の方に聞きながら練習やチャレンジをしてみてください。


最後までお読みいただきありがとうございました。



佐藤