ご予約お問い合わせ

トータルリハビリテーション

トリアロゴ

お電話での予約・お問い合わせ
TEL.047-711-3007

ニュース&ブログ

豆知識

【脳卒中 内反の5つ原因】姿勢 運動 内反尖足

脳卒中の後遺症として歩行や立ち上がり動作などを困難にしてしまう原因が内反です。



内反とは足の裏が、内側を向いてします症状で内反尖足ともいわれます。(尖足は足先が下にも向いている状態)



リハビリの改善したい症状として内反が多いのは、特に歩行時に強くなり歩容の改善を妨げる大きな要因になり、下肢装具を外せない原因にもなります


当施設での内反に対するリハビリ紹介




しかしご利用者様の動作を評価していくと、歩行時以外にも内反が生じています。



内反の共通の原因は、足に垂直に体重を乗せられない、または筋緊張が亢進していることです。

内反

外見上は同じように内反していても、人それぞれ根本的な原因は異なります。



今回はどのような場合があるか姿勢や運動面から5つ紹介していきます。

1.仰向け
2.座位姿勢
3.立ち上がり動作
4.立位姿勢
5.歩行時



最後に内反を軽減させる自主リハビリも掲載していますので、参考にしてみてください。


内反への自主リハビリは下記動画やYouTubeからご覧ください。


1.仰向けでの内反


仰向けは本来、全身の筋緊張を最大限緩めリラックスできる姿勢が理想的です。



しかし最小限の筋緊張は必要で寝ている姿勢、仰向けでも実はバランスをとっています



バランスって立っている時に必要なんじゃないの?

と思われるかもしれませんが、頭や肋骨、踵など全身には丸みを帯びている骨がたくさんあり体を支持するために筋緊張が必要になります。



体を支持するという事は、心地いい姿勢、寝やすい姿勢に留まるということです。



感覚障害や体の傾き、ねじれなどにより極端に左右どちらかへ体重がかかっていると、特定部位の筋緊張が増してしまいます。



脳卒中の後遺症として筋緊張をうまくコントロールしづらいことにより、麻痺側の筋緊張が寝ていても高まり内反や無意識に手足に力が入ってしまうという現象に繋がります。



もう1つの原因が筋肉の短縮です。



筋肉の短縮は麻痺側の動きが少ない事や筋緊張が亢進することで、筋肉の伸び縮みが制限され2次的に筋肉自体が短くなることです。



特に太もも、ふくらはぎの背面の筋肉は短縮が起こりやすいです。



そして仰向けの姿勢では股関節、膝関節が「足の重さ、質量で」重力により強制的に伸ばされます。



その結果、太ももやふくらはぎの背面の筋肉が寝ている姿勢でも伸ばされることでも内反が生じます。



仰向けに寝た時の姿勢の左右差や足全体の筋肉の短縮を完全することで、寝ている際の内反は軽減することができます。


2.座位姿勢での内反



仰向けでもバランスをとっていると書きましたが、もちろん座位では仰向けよりもバランス、姿勢のコントロールがより必要になります。



倒れないように、真っすぐになどの無意識的な働きが常にある分、全身の筋緊張は寝ている時よりも高くなります。



その座位姿勢で筋緊張のコントロールが難しく、姿勢が非麻痺側へ偏る場合に内反が生じやすくなります。



特に座位姿勢で見られるのは、非麻痺側へ過度に体重を乗せてしまい麻痺側の足が開き内反が生じる場面です。



この足が開くという動きですが、寝ていても、立位でも、歩行時でも共通ですが「平衡反応」というバランスを保つ反応ではあります。


下の図の様に片側に体重をかけると、もう一方の足は外に開きます。

体重が乗っていない側の股関節(写真の紫)は不安定になります。



この姿勢から立ち上がろうとすると、上手く足に体重がかけられずに内反が生じやすくなります。

3.立ち上がり動作での内反


立ち上がりでは大きく2つの原因があります。



1つ目は力のコントロールです。


立ち上がり足に体重を乗せていく際に、徐々に力の強さをコントロールしていかなければいけません。



椅子からお尻を離す時、伸びあがっていく時などで力は強弱、方向、速度などが常に変化します。



強弱とはどのくらいの力で踏ん張るのか、方向とは床面に対してどの方向に踏ん張るのか、速度とは立ち上がりの速さに合わせて左右の足の筋肉が同じ速度で筋肉が働いているのかという事です。(リハビリではこのコントロールを促すような刺激が必要です。)



3つのコントロールの中で内反に繋がりやすいのは、力の強さと方向です。



2つ目は足首の可動域です。

立ち上がりの際に足首は、踏み込むようにして背屈方向に動きますが、この角度が少ない、制限されていると内反して背屈角度を代償しようとする活動が見られてしまいます。



ご病気をされておらず足首が硬い方にも見られる代償ですが、麻痺や筋緊張などの神経的な要素が加わることで内反として表れてしまいます。

4.立位姿勢での内反


立位では仰向けと同様に、筋肉の短縮が1つの原因になります。



しかし仰向けと違うのは、足で支えているということで主に感覚、姿勢コントロールについてご説明します。



まずは感覚について。



立位姿勢で足の裏が着いているのか、もしくは足の裏全体の感覚低下によりどの方向で支えればいいのか分からない場合に内反が生じやすくなります。


足の裏や足部以外では、膝は曲がっているのかあるいは伸びているのか、股関節は真っすぐなのかなどの感覚が影響することもあります。



感覚については、今回紹介している他の原因と混在している場合により内反を強めてしまう要因です。



次に姿勢コントロールについて。


姿勢コントロールは立ち上がりと同様に、力の強弱、方向が重要になります。



そこに加えバランスを保つためには、前庭機能が重要です。



前庭機能とは、頭の位置などで体がどの方向に傾いているか感知しています。



実際の姿勢は倒れるほど傾いていないのに、前庭機能が過度に感知してしまうことで倒れないように全身の筋緊張を高めます。



この際の筋緊張は急激に高まるため、内反も同じく急激に強く現れます。


5.歩行中の内反


歩行時に見られる内反は、足が着いている時ではなく足を振り出す際に内反が強くなる傾向にあります。



足を前に振り出す際のポイントとなるのが骨盤の向きです。



麻痺側の骨盤が後方に引けた状態での振り出しは、内反を強めてしまいます。



その原因は骨盤の向き(進行方向)と足先の向きが合っておらず、足全体の筋肉がねじれてしまうことが原因です。



骨盤を後方に引く力と足を前に振り出す前後の力で、骨や筋肉がねじれることで内反が生じてしまいます。



そして歩行時の最大の原因は、座位姿勢でも書いた平衡反応です。

歩行時の平衡反応


(写真)重心が過度に左側へ移動することで、右足はバランスを保つために外側へ開きます。



右足は外に開くので足首が真っ直ぐであれば、足の裏は外側を向きますがそれでは足を着けた時に支えられないので足の裏を内側へ向けます。



これが内反の原因です。



内反が生じているから足が着けないのではなく、歩行時の姿勢の影響が内反を強くしていることもあります。


内反を軽減させる自主リハビリはこちら

腓骨筋の活性化は内反の軽減につながります。


その他の歩行に関する動画もYouTubeにアップしてるので、参考にしてください。


〇おわりに


内反を軽減させるリハビリでは、「姿勢」と「運動のコントロール」がポイントになることが多いです。



これらの5つの原因と合わせて、経過や歩き方などの一人ひとりの症状に合わせてリハビリや自主リハビリを選択します。(リハビリ場面は、下の動画をご覧ください)



あくまでリハビリ、自主リハビリは「オーダーメイド」です。



最後までお読みいただきありがとうございました。


引き続き、投稿していきます!!

佐藤