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足の痛みやしびれを伴う坐骨神経痛の症状と原因 どんな人がなりやすい⁉

 坐骨神経痛はお尻や足の痛み、しびれを伴い日常生活に大きな支障をきたす場合があります。

 身体にはいくつもの神経があるのに多くの方に発症する坐骨神経痛にはどんな背景や理由があるのでしょうか。

 今回の記事では、坐骨神経痛の原因や症状だけではなくどんな方がなりやすいのか、手術をしたのに痛みが治らない理由なども紹介していきます。

〇目次
 ①坐骨神経とは
 ②坐骨神経痛を引き起こすとされる疾患
 ③坐骨神経痛と似てる症状
 ④坐骨神経痛になりやすい方の特徴と手術をしても治らない理由
 ⑤坐骨神経痛の治療の流れや改善と再発予防

①坐骨神経とは

 坐骨神経は腰椎の4・5番目と仙骨から出ておりお尻にある梨状筋という筋肉の下や間を通り、骨盤の後面に出ています。

坐骨神経

 そこから太ももの裏側を通り、膝の裏まで伸び、膝上あたりで脛骨神経(ふくらはぎや足の裏などを支配)と総腓骨神経(すねや足の甲などを支配)の2つに分かれ、さらに足の指先まで到達します。

総腓骨神経

 ※坐骨神経の通り道である全てに症状が現れるとは限らず、スネや足の裏だけなどに限局する場合もあります。

②坐骨神経痛を引き起こすとされる疾患

 坐骨神経痛を引き起こす疾患として以下のものが挙げられます。

 1.腰椎椎間板ヘルニア:背骨の間にある椎間板が変形、突出(椎間板の中にある髄核が飛び出す)し神経を圧迫

ヘルニア

 2.腰部脊柱管狭窄症:背骨の中を通る神経が背骨の偏移や靭帯の肥厚などで狭くなり神経を圧迫

脊柱管狭窄症

 3.腰椎すべり症:腰の骨である腰椎が前後左右にズレてしまい神経を圧迫

すべり症

 これらの疾患で坐骨神経痛が生じますので、病院などで画像診断(MRIなど)を行う必要がある場合もあります。

③坐骨神経痛と似てる症状

 1.閉塞性動脈硬化症
 閉塞性動脈硬化症は、動脈硬化が原因で足の血管が狭くなり血流が悪くなる病気です。血流が悪くなると、神経に十分な酸素や栄養が供給されなくなり痛みやしびれが生じ、坐骨神経痛と似た症状が現れます。

 閉塞性動脈硬化症の特徴は、歩いているとふくらはぎが痛くなり休むと痛みが和らぐ「間欠性跛行(はこう)」と呼ばれる症状です。足が冷たく感じたり、青白く変色したりすることもあります。

 血管エコーやABI検査(足関節上腕血圧比)で、足の血管の状態を調べることで診断できます。動脈硬化は生活習慣病と密接に関連しているため、早期発見と適切な治療が重要で重症であれば手術になる場合もあります。

 2.梨状筋症候群
 梨状筋症候群は、お尻の奥深くにある「梨状筋」という筋肉がすぐ近くを通る坐骨神経を圧迫することで、坐骨神経痛に似た痛みやしびれを引き起こす病気です。長時間座っていると症状が悪化し、立って歩くと楽になることが多いのが特徴です。

 股関節を内側に回したり、ストレッチをしたりすると痛みが強くなることもあり坐骨神経痛の一種でもあります。

 3.仙腸関節障害
 仙腸関節障害は、骨盤の一部である仙骨と腸骨をつなぐ仙腸関節に異常が生じ腰や臀部、脚に痛みやしびれが現れる病気です。坐骨神経痛の症状とよく似ているため、見分けるのが難しい場合もあります。仙腸関節障害の特徴としては、姿勢を変えたり腰をひねったり、中腰の姿勢を取ると痛みが増すことがあります。

 妊娠中や産後に症状が現れる場合も多く妊娠・出産によって骨盤周囲の組織が緩むことで、仙腸関節に負担がかかりやすくなるためと考えられています。産後に腰痛が出た場合、骨盤ベルトなどで靭帯の緩みが解消されるまで半年程かかるとされています。

 4.椎間関節障害
 背骨は椎骨と呼ばれる骨が積み重なってできており、それぞれの椎骨の間には椎間関節という関節があります。椎間関節障害とは、椎間関節に炎症や変形が生じる病気です。腰痛だけでなく、脚にも痛みやしびれが走るため、坐骨神経痛と間違われることがあります。

 椎間関節障害の特徴は、急に激しい痛みが走ることです。重いものを持ったり、急に身体をひねったりしたときに起こりやすいとされ、いわゆる「ぎっくり腰」も、椎間関節障害の一種です。

 5.臀皮神経障害
 臀部の皮膚には、上殿皮神経や下殿皮神経などの感覚神経が分布しています。臀皮神経が筋肉や靭帯によって圧迫されると腰からお尻にかけて痛みやしびれが生じ、坐骨神経痛と間違われることがあります。

 臀皮神経障害の特徴は、お尻の表面がピリピリと痛むことで上臀部のほうに症状が出やすいです。


これら5つの状態を適切に見極め治療していくことが改善のポイントです。

④坐骨神経痛になりやすい方の特徴と手術をしても治らない理由

 坐骨神経痛は腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症が原因でなりやすいとされてますが、手術は成功したけど数週間後にまた痺れが出てきた、腰の痛みが戻ってきたという声はよく聞きます。なかには複数回同じ場所を手術してる方もいます。

 そういった方はそもそもなぜヘルニアや脊柱管狭窄症、すべり症になってしまった、そこに痺れや痛みの根本原因がある可能性が高く考える必要があります。

 坐骨神経痛の原因は生活習慣でさまざまですし複数該当してる方が多いです。

 坐骨神経痛の原因、考えられる可能性

 ・坐骨神経の出口である腰部の過緊張
 ・頸椎、胸椎の硬く腰椎で代償動作をしてる
 ・呼吸に関わる首や胸郭などが硬く呼吸が浅くなり、全身の緊張状態が抜けず腰に症状として出ている
 ・腹部の硬さの影響
 ・足首や股関節、膝関節の硬さの影響が強いため骨盤の傾きが大きく神経の出口が狭くなっている
 ・体幹のインナーマッスル(多裂筋、横隔膜、腹横筋、骨盤底筋)の問題で腰椎が不安定となりに負担がかかっている
 ・過去の大きな怪我や手術後のリハビリや治療が不十分だった

 手術でヘルニアや狭窄症が治って再発された方もこれらの問題の影響と考えられます。

⑤坐骨神経痛の治療の流れや改善と再発予防

 坐骨神経痛を根本的に改善する方法や再発予防なども紹介していきます。

 1.腰や腰部の緊張を整える
 坐骨神経の出口である下部腰椎をはじめとした腰部や臀部の筋肉へ鍼をします。(三焦兪、腎兪、大腸兪、次髎など)

 2.お腹周りを緩める
 腹部の硬さが腰に影響することもあるため腹部の治療で腰にズーンと響くところがあればそこを中心に指圧や鍼をします。(不容、上脘、中脘、気海、中極、天枢など)

 3.首、胸郭の柔軟性
 痛みや痺れがある方は基本的に首や胸郭まわりが硬く呼吸が浅くなってしまっています。それが全体的な筋緊張につながるため呼吸を深くできるように、呼吸に関わる胸郭まわりをはじめ、首や肩甲骨に付着している筋肉を指圧や鍼をします。※腹式呼吸を促した時、お腹が膨らまない方は②の治療を重点的にします。

 4.股関節周辺の柔軟性
 腰の問題は股関節の硬さが影響しやすく、股関節はお尻付近の筋肉や腸腰筋、内転筋、大腿四頭筋、ハムストリングス等で構成されています。

 これらの筋肉の硬さが腰部の硬さに主に影響するため指圧やストレッチ、鍼をします。治療後再発しやすい方は、痺れが出なくなった頃に股関節を正常可動域までしっかり治療することで再発予防につながります。昔からあぐらがかけない、出来てもすぐ腰が痛くなる、または椅子やソファ生活だからわかない、そういった方は股関節の硬さが腰に悪影響を及ぼす事が考えられます。

 5.手術の影響
 過去に手術経験がある場合もしくは怪我で固定などしたことがある方は、手術痕付近や固定付近は必ず癒着をおこしています。

 腰に悪影響を及ぼすことも考えられるため手術痕周辺の筋肉や固定していた部位も治療対象になる可能性があります。

まとめ

 坐骨神経痛は様々な要因で発症し、手術で改善しない場合や再発するケースも多くあります。日々の生活に支障をきたす腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などで手術しか選択肢がないといわれた、手術はしたくないから民間療法を試したいという方は鍼灸治療などを試してみる価値はあります。

 1回の治療で症状が軽減する可能性もありますので、選択肢の一つとして考えてみてください。

細川

〇執筆・監修者情報
 佐藤浩之:施設長
~経歴~
 1991:千葉県生まれ
 2013:国家資格(理学療法士)を取得し、千葉県内の病院へ入職
 2015:大手自費リハビリ施設へ入職し施設長を経験
 2017:JBITA公認ボバース成人片麻痺基礎講習会修了
 2022:トータルリハビリテーション トリアを開設