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【脳卒中 歩行で踵から接地するためには?】運動連鎖

歩行における踵接地とは、振り出した足が踵から接地するという正常歩行の1つです。



あくまで正常歩行の1つ、一部になるので、踵接地だけを強調しても前後の動きの繋がりがなくかえって足部や下肢の筋緊張を高めすぎてしまう可能性もあります。



そこで今回の記事では、歩行において踵接地を促すための要素を紹介していきます。



踵接地を促す自主リハビリはこちら


歩行におけるすべての課題は、下肢全体の活動を見ていくことが重要です。




〇踵接地のための要素とは?


まずは踵接地を促すための要素として3つ挙げられます。


1.歩幅が狭すぎない(一定距離の歩幅がある)

2.骨盤の後退や反張膝が生じない

3.下肢~骨盤が前方に振り出せる


この3つをリハビリなどで促していくことで、結果的に踵接地が可能になってきます。



反張膝や内反と同様に踵接地に必要なことは、局所的な内容ではなく下肢全体や重心などを考慮することが大切です。


反張膝についてはこちらの記事から


内反についてはこちらの記事から


踵接地や内反、反張膝などは複合的な症状になります。

〇1.歩幅が狭すぎない(一定距離の歩幅がある)


まずは歩幅が狭いということは、麻痺側下肢の振り出しが小さいということになります。

踵接地4

歩行において麻痺側下肢の歩幅が狭い状態は、この後に解説していく2.骨盤の後退や反張膝が生じない、3.下肢~骨盤を前に振り出せるに繋がってきます。



歩幅が狭い状態で踵接地をしようとすると、つま先(足首)を上げる主な筋肉である前脛骨筋が過活動してしまいます。

前脛骨筋2

前脛骨筋の活動は踵接地において重要ですが、過活動によって内反が生じてしまうので注意が必要です。



踵接地は本来、歩幅が一定距離あることで股関節や膝関節と強調して衝撃吸収や重心を前方に向ける役割になります。



歩幅が狭い状態での踵接地は、前方への運動ではなく下肢全体を含めた上下の活動になりやすく足部、前脛骨筋の過活動が生じやすくなります。



そこで次に大切なポイントが、骨盤や反張膝です。


〇2.骨盤の後退や反張膝が生じない


麻痺側下肢の支持において骨盤の後退や反張膝という現象は、ともに重心を後方に退いてしまうことです。



歩行全体を考えても重心は常に前方方向に向いている必要がありますが、重心が後方に退かれてしまうと下肢を前に振り出しづらくなります。

踵接地1

麻痺側下肢の支えの時点で重心が後方になってしまうことで、先ほどの歩幅が狭いということに繋がります。



踵接地を促していくためには、振り出しだけではなく支え方を下肢全体の活動として改善していくことが重要です。



〇3.下肢~骨盤を前方に振り出せる


最後に振り出しについてです。



1と2で歩幅や重心などについて記載した通り、踵接地は足部や足関節だけではなく下肢全体、骨盤などの運動連鎖が重要なポイントになります。


踵接地3

特に麻痺側下肢の支持が安定し、骨盤の後退や反張膝を軽減していくことで重心や下肢の動きを前方移動することが大切です。



冒頭での動画はこれらの下肢~骨盤までの運動連鎖を高める内容になっています。



踵接地2

下肢全体の振り出しが前方向に向くことで、結果として歩幅が向上し踵接地に必要な前脛骨筋の適切な活動を促すことができます。



今回は踵接地を中心に記載しましたが、下肢では内反や尖足、上肢では指や手首の屈曲などの末梢の症状は局所的にもリハビリが必要ですが下肢全体や上肢全体、体幹との繋がりを改善していくことが必要になる場合が多いです。



〇さいごに


歩行における踵接地は、動きとしては足関節の背屈ですが居所的に背屈の可動域や筋活動が改善されても歩くと難しいということがあります。



歩行は全身運動になるので、足関節の動きだけではなく膝や股関節、体幹の動きなど運動連鎖を改善していくこで踵接地が可能になります。



リハビリ、自主リハビリともに局所的、全体的の視点で行っていくことが大切です。



最後までお読みいただきありがとうございました。



引き続き投稿していきます。



佐藤