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【脳卒中 肩関節の安定には肩甲下筋が重要】肩甲骨

脳卒中による上肢および肩関節の機能障害は、亜脱臼や疼痛、上肢の挙上が困難など肩関節周囲の安定性が低下することが原因です。



肩関節の安定に関与する筋肉はいくつかありますが、特に肩甲下筋が重要な役割を担っています。




今回の記事では、肩甲下筋の作用や肩関節の安定性を高める自主リハビリを紹介していきます。




肩回りの筋肉が硬い=安定しているとは限りませんので、上肢の挙上が難しい、痛みがあるなどの症状がある方はぜひお読みください。



〇肩甲下筋の解剖と作用


肩甲下筋は肩甲骨の内部に位置しており、ローテーターカフ(回旋筋腱板)を構成する1つです。


・肩甲骨の解剖と作用

起始:肩甲下窩

停止:上腕骨小結節

神経:肩甲下神経

作用:肩関節の内旋



ローテーターカフとは、肩関節を安定させる筋群の総称で下記の4つとなります。

・棘上筋

・棘下筋

・小円筋

・肩甲下筋


肩甲下筋は肩甲骨と肋骨の間にある筋肉になるので、非常に肩甲骨の安定性に重要な役割となります。




〇肩甲下筋の作用と重要性


肩甲下筋の作用は、肩関節の内旋とされていますが実際には腕の重さを肩甲骨で受け止める際にも活動しています。



この作用があることで、肩甲骨と肋骨との関係性を崩さずに上肢の活動が出来ています。

上肢を前方に伸ばすようなリーチ動作や上肢の挙上では、上肢の重さが肩関節へ負荷されます。




負荷された重さに対して、特に肩甲下筋が上腕骨と肩甲骨の位置関係を調整し続けています。




これは肩甲下筋の付着部が、肩甲骨の腹側(肋骨側)にあることが最大の理由です。




その他のローテーターカフは肩甲骨の縁や後面に付着し、肩甲骨の外から安定性を高めています。




このように肩関節の主動作筋である三角筋を正しく活動させるために、肩の安定性を肩甲下筋によって保持することが大切になります。




〇肩甲下筋の自主リハビリ


先ほども記載したように肩甲下筋は、上肢の重さを支える際に活動しやすくなります。



上肢を肩甲骨に軽く押していくことで、肩甲骨が間接的に動き肩甲下筋を刺激し活動を高めることができます。



肩甲下筋の自主リハビリはこちらを参考にしてください。

この自主リハビリは、肩周辺が硬い人もしくは低緊張で緩い方にも必要な刺激、練習になります。



〇さいごに


今回は肩甲下筋という1つの筋肉にフォーカスした内容です。



上肢が挙がりづらい、腕を伸ばしづらいなどの症状では肩回りの筋力を向上させるだけではなく安定性を高める内容も必要です。



紹介した自主リハビリを現在行っている上肢、肩の練習に加えて行っていただくことで、より効果的になります。



最後までお読みいただきありがとうございました。



引き続きよろしくお願いいたします。


佐藤